文書作成日:2019/07/05


 公的年金を受け取る前に亡くなった場合の課税関係を教えてください。




 妻(70歳)が11月20日に亡くなりました。妻が亡くなった翌月の12月15日に妻の預金口座に国民年金が入金されました。この年金は相続税の計算上、どのように取り扱えばよいのでしょうか。相続財産として、相続税が課税されますか?




 ご相談のケースは、ご遺族が自分のものとして受け取るものです。そのため、相続税は課税されず、受け取ったご遺族に対して所得税が課税されます。




1.死亡時点で支給されていない年金

 国民年金等の公的年金は、毎年2月、4月、6月、8月、10月、12月の偶数月の15日にその前月と前々月の2か月分の合計額が支給されます。今回、12月15日に支給された年金は10・11月分の合計額となります。

 公的年金は、死亡した日の属する月分まで受け取ることができることになっており、その受給者が亡くなった時点でまだその者に支給されていない年金(以下、未支給年金)がある場合には、死亡した受給者の配偶者、子、父母など三親等内の親族であって、かつ、生計を一にしていた者が「自己の名」で受け取ることができることになっています。

 つまりご相談の国民年金は、奥様の相続財産として受け取るのではなく、未支給年金としてご遺族が受け取るもの、ということになります

2.課税上の取り扱い

 このように未支給年金は奥様の相続財産とはならないため、相続税は課税されません。

 他方、未支給年金を受け取ったご遺族に対して所得税が課税されます。
 この場合の所得の種類は、通常、本人に支給される公的年金は「雑所得」ですが、ご相談のケースは「一時所得」となります。

 一時所得は年間50万円までは控除額がありますが、他に一時所得がある場合には、この分を含めて計算するのを忘れないようにしましょう。


<参考>
 所得税基本通達34-2、国民年金法第19条、国税庁HP「未支給の国民年金に係る相続税の課税関係」


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