企業の賃上げの動きは、初任給にも影響を与えています。ここでは昨年11月に人事院から発表された調査結果(※)などから、医師や看護師などの初任給に関するデータをご紹介します。
上記調査結果などから、医療関連職種における直近5年間の初任給の推移をまとめると、下表のとおりです。
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医師は40万〜45万円台で推移しています。2023年は40.4万円と直近5年間では最も低い額でしたが、2024年には前年比11.3%増の45.0万円と、5年間の最高額になりました。
看護師は20万〜21万円台で推移しており、紹介した職種の中で唯一、毎年初任給が増加しています。2024年は21.9万円となり、22万円台が目前になりました。
准看護師は17万〜18万円台で推移しています。2023年以降は18万円台となり、2024年には5年間で最も高い18.4万円に達しました。
薬剤師は22万〜24万円台で推移しています。2024年には、前年比6.1%増の24.5万円になりました。
診療放射線技師は19万〜21万円台で推移しています。2023年には21.1万円で最も高くなりましたが、2024年は20万円を割り込みました。
栄養士大学卒は18万〜19万円台で推移しています。2023年以降は19万円台になり、2024年も増加しています。
栄養士短大卒は16万〜18万円台で推移しています。調査対象事業所数が少ない年が多いものの、2023年以降は増加を続け、2024年には前年比14.0%増の18万円台に達しました。
診療放射線技師を除くすべての職種で、2024年の初任給が最も高くなっています。地域別最低賃金の引き上げが続く中、初任給も引き上げが進んでいることがうかがえます。
人材採用にあたり、賃金は重要な要素となります。賃上げを持続できるよう、生産性の向上などに務めていく必要があります。
(※)人事院「令和6年職種別民間給与実態調査」
日本標準産業分類の公務を除くすべての大分類に該当する産業の企業規模50人以上、かつ、事業所規模50人以上の全国の民間事業所を対象に2024年4〜6月に行われた調査です。なお、2020年から2022年の期間は新型コロナウイルス感染症の影響で、医療関連職種が調査対象から外れていました。また、表中の下線のある金額は、調査事業所が10以下であることを示しています。
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